運命の分かれ道（条件式）

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Introduction of The C Programming Language

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　もしも～なら…（if 文）

　プログラムは、先頭行から順番に処理されますが、ある条件によって処理内容を変えて実行したいことがあります。以下のﾘｽﾄ3.1の通りにプログラムを入力、保存、コンパイルして実行してみてください。 m を入力すると挨拶文を出力します。なお、if ( 条件式 ) の後には ;（セミコロン）は付きません。付けると予想もしないことが起きます。すなわち、どの文字を入力しても朝のメッセージが出力されます。
　ところで、プログラムにおいて条件式を記述するには表3_1 の関係演算子を使います。

ﾘｽﾄ3.1 条件によるメッセージ出力・その１ --------------------------------------------------- #include <stdio.h> main() { 　　int a; 　　a = getchar(); /* a に１文字代入 */ 　　if (a == 'm') /* 入力された文字と m が同じかどうか判定 */ 　　　　printf("Good morning !!¥n"); /* 真の時,Good morning !!と出力 */ }

●　条件判断　もしも～なら…
【構文】　　if ( 条件式 ) {
　　　　　　　　実行する処理;
　　　　　　}
処理が１行の場合は { } は省略可能です

表3_1 関係演算子

演算子 書式意味
< a < b a が b より小さいとき真
<= a <= b a が b より小さいか等しいいとき真
> a > b a が b より大きいとき真
>= a >= b a が b より大きいか等しいいとき真
== a == b a と b が等しいとき真
!= a != b a と b が等しくないとき真

　もしも～なら…、そうでないなら…（ if else 文）

　処理の内容を二者選択する場合に記述する構文です。条件式を評価した結果が「真」のとき、if (条件式) に続く処理が、「偽」のとき else に続く処理が実行されます。それでは、以下のﾘｽﾄ3.2の通りにプログラムを入力、保存、コンパイルして実行してみてください。 m を入力すると朝の挨拶文を、それ以外の文字を入力すると夜の挨拶を出力します。なお、if ( 条件式 ) の後と、else の後には ; は付きません。付けるとエラーが発生します。

ﾘｽﾄ3.2 条件によるメッセージ出力・その２ --------------------------------------------------- #include <stdio.h> main() { 　　int a; 　　a = getchar(); /* a に１文字代入 */ 　　if (a == 'm') /* 入力された文字と m が同じかどうか判定 */ 　　　　printf("Good morning !!¥n"); /* 真の時,Good morning !!と出力 */ 　　else 　　　　printf("Good night !!¥n"); /* 偽の時,Good night !!と出力 */ }

●　条件判断　もしも～なら…、そうでないなら…
【構文】　　if ( 条件式 ) {
　　　　　　　　実行する処理1;
　　　　　　}
　　　　　　else {
　　　　　　　　実行する処理2;
　　　　　　}
実行する処理1 、2 が１行の場合は { } は省略可能です

　「もしも～なら…」がたくさんあるとき（ if-else if-else 文）

　「もしも～なら…」という条件判断がたくさんある場合、else if 文をつかって記述します。それでは、以下のﾘｽﾄ3.3の通りにプログラムを入力、保存、コンパイルして実行してみてください。２つの変数に値が入っています。１文字入力し、+ のとき加算、- のとき減算した結果が出力され、それ以外の文字の場合、Bad character !! とメッセージが示されます。

ﾘｽﾄ3.3 条件による加算と減算（if-else if-else文）-------------------------------------------- #include <stdio.h> main() { 　　int a, b, c; 　　a = 12; /* a に 12 を代入 */ 　　b = 5; /* b に 5 を代入 */ 　　c = getchar(); /* c に１文字代入 */ 　　if (c == '+') { /* 入力された文字が + か判定 */ 　　　　printf("a + b = %d¥n", a + b); /* + の場合，加算の結果を出力 */ 　　} 　　else if (c == '-') { /* 入力された文字が - か判定 */ 　　　　printf("a - b = %d¥n", a - b); /* - の場合，減算の結果を出力 */ 　　} 　　else { 　　　　printf("Bad character !!¥n"); /* + でも - でもない場合, Bad character !!と出力 */ 　　} }

●　条件判断　「もしも～なら…」がたくさんあるとき
【構文】　　if ( 条件式 1 ) {
　　　　　　　　実行する処理1;
　　　　　　}
　　　　　　else if ( 条件式2 ) {
　　　　　　　　実行する処理2;
　　　　　　}
　　　　　　　　：
　　　　　　else {
　　　　　　　　実行する処理n;
　　　　　　}
実行する処理1、2、n が１行の場合は { } は省略可能です

　複雑な構文構造になる if else 文、if-else if-else 文は、表3_2 の論理演算子を使うと、 if else 文においてすっきりした条件の設定が可能となります。

表3_2 論理演算子

演算子 演算書式意味
&& 論理積式１ && 式２式１、式２がともに真のとき真
|| 論理和式１ || 式２式１、式２の少なくともどちらかが真であれば真
! 否定 !式式が真（値０以外）なら偽、偽（値０）なら真

論理演算子の使い方

うるう年は、４で割り切れる、ただし 100 で割り切れる年はうるう年でない、でも 400 で割り切れるとうるう年
●　if-else if-else 文による記述
if ( year % 400 == 0 ) {
　　printf("%d 年はうるう年です。¥n", yaer );
}
else if ( year % 100 == 0 ) {
　　printf("%d 年はうるう年ではありません。¥n", year );
}
else if ( yaer % 4 == 0 ) {
　　printf("%d 年はうるう年です。¥n", yaer );
}
else {
　　printf("%d 年はうるう年ではありません。¥n", year );
} ●　論理演算子を使った if else 文による記述
if ( ( ( year % 4 == 0 ) && ( year % 100 != 0 ) )
　　　　　　　　　　　　　|| ( yaer % 400 == 0 ) ) {
　　printf("%d 年はうるう年です。¥n", yaer );
}
else {
　　printf("%d 年はうるう年ではありません。¥n", year );
}

　たくさんから一つを選ぶ（ switch 文）

　ﾘｽﾄ3.3 条件による加算と減算（if-else if-else文）を、処理メニューの中から１つ選んで実行するプログラムに書き換えることが可能です。それでは、以下のﾘｽﾄ3.4 の通りにプログラムを入力、保存、コンパイルして実行してみてください。ﾘｽﾄ3.3 とおなじプログラムであることが分かります。
　なお、case 定数の後は :（コロン）が付きます。文の後に付く ; とは違うので注意が必要です。

ﾘｽﾄ3.4 条件による加算と減算（switch文）--------------------------------------------- #include <stdio.h> main() { 　　int a, b, c; 　　a = 12; /* a に 12 を代入 */ 　　b = 5; /* b に 5 を代入 */ 　　c = getchar(); /* c に１文字代入 */ 　　switch (c) { 　　　　case ﾔ+': /* 入力された文字が + か判定 */ 　　　　　　printf("a + b = %d¥n", a + b); /* + の場合，加算の結果を出力 */ 　　　　　　break; 　　　　case ﾔ-ﾔ : /* 入力された文字が - か判定 */ 　　　　　　printf("a - b = %d¥n", a - b); /* - の場合，減算の結果を出力 */ 　　　　　　break; 　　　　default : /* + でも - でもない場合, */ 　　　　　　printf("Bad character !!¥n"); /* Bad character !!と出力 */ 　　　　　　break; 　　} }

●　条件判断　「もしも～なら…」がたくさんあるとき
【構文】　　switch ( 変数 ) {
　　　　　　　　case 定数1:
　　　　　　　　　　実行する処理1;
　　　　　　　　　　break;
　　　　　　　　case 定数2:
　　　　　　　　　　実行する処理2;
　　　　　　　　　　break;
　　　　　　　　　　　：
　　　　　　　　default:
　　　　　　　　　　実行する処理n;
　　　　　　　　　　break;
　　　　　　}
default: の後の break; は省略可能です

　switch 文では、変数の値と一致する定数を記述した case 文から、最初に出会う break 文までが実行されます。では、複数の条件（値）において同一の処理を行うときはどうすればいいでしょう。おまけ　例文１の様にプログラムします。

おまけ　例文１ case 節の書き方 ------------------------------------------------------------- /* * 月を入力すると、その月の日数が出力される。 */ #include <stdio.h> main() { 　　/* 変数の宣言 */ 　　int month; // 月　　/* 月を入力 */ 　　printf("何月ですか　"); 　　scanf("%d", &month); 　　/* 日数を出力 */ 　　switch (month) { 　　　　case 1: 　　　　case 3: 　　　　case 5: 　　　　case 7: 　　　　case 8: 　　　　case 10: 　　　　case 12: 　　　　　　printf("31日¥n"); /* month が 1, 3, 5, 7, 8, 10, 12 のとき 31日と出力 */ 　　　　　　break; 　　　　case 4: 　　　　case 6: 　　　　case 9: 　　　　case 11: 　　　　　　printf("30日¥n"); /* month が 4, 6, 9,11 のとき 30日と出力 */ 　　　　　　break; 　　　　case 2: 　　　　　　printf("28日または29日¥n"); /* month が 2 のとき 28日または29日と出力 */ 　　　　　　break; 　　　　default: 　　　　　　printf("不正な値を入力しました。¥n"); /* 1～12 以外の数値のときメッセージを出力 */ 　　} }

　条件判断のプログラムを作成するとき、if 文または switch 文を利用しますが、 switch 文は if 文に書き換えることが可能ですが、if 文を switch 文に書き換えることは、必ずしも可能とはかぎりません。

if 文と switch 文の違い

●　条件式と定数
「もしも定数 a の値が100よりも大きければ」のように、条件式を用いる場合は if 文を使います。
「もしも定数 a の値が100とおなじならば」のように、変数の値が定数と等しいかを比較する場合は switch 文を使います。
●　if 文 ●　switch 文
if ( 条件式 ) {
　　処理;
}

switch ( 変数 ) {
　　case 値:
　　　　処理;
　　　　break;
　　　：
}
if ( a > 100 ) {
　　処理;
} 記述できません。
if ( a = 100 ) {
　　処理;
}

switch ( a ) {
　　case 100:
　　　　処理;
　　　　break;
　　　：
}
●　比較する値を範囲指定できるかどうか
「算数の点数が80点以上ならば A ランク、60点～79点ならば B ランク…」のように、比較する値の範囲で指定する場合も if 文を使います。
switch 文では範囲指定することができません。
if ( tensu >= 80 ) {
　　Ａランク;
}
else if ( ( tensu >= 60 ) && ( tensu < 80 ) ) {
　　Ｂランク;
}
　　　：記述できません。

　課題

課題１ 　金額（ 1000 円未満）を与えられて、それに必要な硬貨の種類と個数を計算するプログラムを書きなさい（硬貨の種類は：500 円、100 円、50 円、10 円、5 円、1 円の計 6 種類）

入力画面の例

硬貨計算プログラム
金額（ 1000 円未満） = 987
500 円 1 枚
100 円 4 枚
50 円 1 枚
10 円 3 枚
5 円 1 枚
1 円 2 枚

注）青色部分が入力した値です。なお、0枚の硬貨は表示しないように。

課題２ 　計算のタイプを選んで、計算するプログラムを作る。条件式は switch 文を使用してください。

入力画面の例

計算プログラム
計算のタイプは（+ - * /）は：*
値１は：150
値２は：5
計算結果は 750.000000です。

注）青色部分が入力した値、実数表示すれば小数点以下６桁まで出力される。

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