同じ道を何回も通る（繰り返し）

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Introduction of The C Programming Language

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　指定の回数だけ繰り返す（ for 文）

　プログラムでは、「同じ処理を何回も繰り返す」、という場合があります。簡単にはそれら処理を回数分だけコピーすればよいのですが、繰り返しの回数が固定されないとこの方法では解決しません。それに、スマートな方法とは言えません。
　この、同じ処理を繰り返すには、繰り返し構造を利用すると便利です。繰り返し構造の記述方法はいくつかありますが、まず、指定回数が前もって分かっている場合を考えます。この場合は for 文を使います。以下のﾘｽﾄ4.1の通りにプログラムを入力、保存、コンパイルして実行してみてください。 1 から10 までの合計値が計算され、出力されます。

ﾘｽﾄ4.1 １から10までの合計・その１ --------------------------------------------------------- #include <stdio.h> main() { 　　int i, total = 0; /* カウンタ変数 i と、合計値を入れる変数 total を宣言 */ /* 変数iが 1 から 10 まで繰り返す */ 　　for (i = 1; i <= 10; i++) { /* カウンタを 1 に初期化、継続条件は i が 10 になるまで */ 　　　　 /* カウンタの更新方法は 1 を加算 */ 　　　　total += i; /* total に i の値を加算 */ 　　} 　　printf("total = %d¥n", total); /* total の内容を出力 */ }

●　指定した回数になるまで繰り返し処理を実行する
【構文】　　for ( カウンタの初期化; 継続条件; カウンタの更新方法 ) {
　　　　　　　　実行する処理;
　　　　　　}
処理が１行の場合は { } は省略可能です

　ある条件になるまで繰り返す（ while 文）

　繰り返す回数が分からないときはどうしたら良いでしょう。ある条件になるまで繰り返すwhile 文を使います。以下のﾘｽﾄ4.2の通りにプログラムを入力、保存、コンパイルして実行してみてください。 1 から10 までの合計値が計算され、出力されます。

ﾘｽﾄ4.2 １から10までの合計・その２ --------------------------------------------------------- #include <stdio.h> main() { 　　int i, total = 0; /* カウンタ変数 i と、合計値を入れる変数 total を宣言 */ 　　i = 1; /* カウンタを 1 に初期化、while ループの前に必要です。 */ /* 変数 i が 1 から 10 まで繰り返す */ 　　while (i <= 10) { /* 継続条件は i が 10 になるまで */ 　　　　total += i; /* total に i の値を加算 */ 　　　　i++; /* カウンタの更新方法は 1 を加算、while ループの最後に必要 */ 　　} 　　printf("total = %d¥n", total); /* total の内容を出力 */ }

●　指定した条件の間、処理を繰り返し処理を実行する
【構文】　　while ( 継続条件 ) {
　　　　　　　　実行する処理;
　　　　　　}

　以下のおまけのプログラムは、入力した文字列の内容を出力するプログラムです。ためしてみてください。

おまけ　例文1 入力した文字列の内容は？ ------------------------------------------------------ /* * 文字列の内容を出力する */ #include <stdio.h> main() { 　　/*　変数の宣言 */ 　　int i; // インデックス　　char str[80]; // 文字配列　　scanf("%s", str ); /* 文字配列に文字列を入力 */ 　　/* １文字ずつ出力 */ 　　i = 0; /* カウンタを 1 に初期化、while ループの前に必要です。 */ 　　while ( str[i] != '¥0' ) { /* 継続条件はstr[i] が ¥0（文字列の最後の印）になるまで */ 　　　　printf("%c", str[i]); 　　　　i++; /* カウンタの更新方法は 1 を加算、while ループの最後に必要 */ 　　} 　　printf("¥n"); }

　前判定と後判定（ do～while 文）

　繰り返すかどうかを、いつ判定するか。それによって、前判定と後判定の２つに分けられます。今までの、 for 文、while 文を使った繰り返し構造はすべて前判定でした。前判断の場合、継続条件によっては、繰り返し処理が一度も実行されません。最低１回はループ内の処理を実行したいときは、後判定である do ～ while 文を使って記述します。以下のﾘｽﾄ4.3の通りにプログラムを入力、保存、コンパイルして実行してみてください。

ﾘｽﾄ4.3 １から10までの合計・その３ --------------------------------------------------------- #include <stdio.h> main() { 　　int i, total = 0; /* カウンタ変数 i と、合計値を入れる変数 total を宣言 */ 　　i = 1; /* カウンタを 1 に初期化、while ループの前に必要です。 */ /* 変数 i が 1 から 10 まで繰り返す */ 　　do { 　　　　total += i; /* total に i の値を加算 */ 　　　　i++; /* カウンタの更新方法は 1 を加算、do ～ while ループの最後に必要 */ 　　} while (i <= 10); /* 継続条件は i が 10 になるまで、while ( ) の後に ; が必要 */ 　　printf("total = %d¥n", total); /* total の内容を出力 */ }

●　指定した条件の間、処理を繰り返し処理を後判定にて実行する
【構文】　　do {
　　　　　　　　実行する処理;
　　　　　　} while ( 継続条件 );
while ( 継続条件 ) の後には ; が必要です

　以下のおまけのプログラムは、入力した文字が｢z｣になるまで入力待ちを続けるプログラムです。ためしてみてください。

おまけ　例文2 ｚを入力するまで待ってます ---------------------------------------------------- #include <stdio.h> main() { 　　/*　変数の宣言 */ 　　int str; //入力文字　　/* １文字を入力、z または Z が入力されるまで繰り返す */ 　　do { 　　　　str = getchar(); /* １文字入力 */ 　　} while ( ( str != 'z' ) && ( str != 'Z' ) ); /* 継続条件はstr が z または Z になるまで */ }

前判定と後判定の選び方

ｚまたは Z を入力するまで待ってます
●　前判定による記述
str = getchar();
while ( ( str != 'z' ) && ( str != 'Z' ) ) {
　　str = getchar();
} ●　後判定による記述
do {
　　str = getchar();
} while ( ( str != 'z' ) && ( str != 'Z' ) );

　繰り返しを打ち切る（ continue 文 / break 文）

　for ループでは繰り返した回数、while ループと do ～ while ループでは指定した条件式が、繰り返しを終了する正規の方法です。しかし、場合によっては繰り返しを終了したり、処理をスキップしてループの先頭に戻したいことがあります。繰り返しを途中で終了するには break 文を、処理をスキップして繰り返しループの先頭に戻すには continue 文を使います。
　それでは、以下のﾘｽﾄ4.4 とﾘｽﾄ4.5 の通りにプログラムを入力、保存、コンパイルして実行してみてください。ﾘｽﾄ4.4 は入力した数値が素数かどうかの判定を行うプログラムで、ﾘｽﾄ4.5 は入力した数値が文字コードであればコードと文字を出力し、文字コードでなければ再入力、-1 であれば終了するプログラムです。

ﾘｽﾄ4.4 素数の判定（ break 文） ------------------------------------------------------------- /* * 素数の判定 * 　入力した数値を 2 ～入力値までの数値で順に割り算し、割り切れる数値を求める * 　割り切れる数値が入力値と一致したとき、すなわち入力値以外に割り切れる数値がないとき * 　入力した数値は素数です。 */ #include <stdio.h> main() { 　　/*　変数の宣言 */ 　　int i, a; /* カウンタ変数 i と、値を入れる変数 a を宣言 */ 　　scanf("%d", &a); /* a に入力 */ 　　for (i = 2; i <= a; i++) { /* 2 から a まで繰り返す */ 　　　　if ((a % i) == 0) { /* a を i で割った余りを求め */ 　　　　　　break; /* 0 であれば繰り返しを抜ける */ 　　　　} 　　} 　　if (i == a) /* a は素数 */ 　　　　printf("%d is prime¥n", a); 　　else /* a は素数でない */ 　　　　printf("%d is not prime¥n", a); } ﾘｽﾄ4.5 文字の判定（ continue 文） ----------------------------------------------------------- /* * 入力数値を文字コードとして、文字コードと文字を出力 */ #include <stdio.h> main() { 　　　/*　変数の宣言 */ 　　int i, c; /* カウンタ変数 i と、値を入れる変数 c を宣言 */ 　/* 無限に繰り返す */ 　　for (i = 1;; i++) { /* 継続条件が省略され、無限ループとなる */ 　　　　scanf("%d", &c); /* a に入力 */ 　　　　if (c == (-1)) /* -1 が入力されたら繰り返しを抜ける */ 　　　　　　break; 　　　　else if (c <= 32 || 127 <= c) /* c≦32 または c≧127 の場合, */ 　　　　　　continue; /* 繰り返しの先頭に戻る */ 　　　　else 　　　　　　printf("%x = %c¥n", c, c); /* c の内容を出力 */ 　　} }

●　break 文
【構文】　　if ( 条件式 ) {
　　　　　　　　break;
　　　　　　}

break 文の使い方

●break 文は、それを含んだブロック { } を終了する
●switch 文で使用した場合は、以降の case 節を実行せずに switch 文を終了する
●for ループ、while ループ、 do ～ while ループで使用した場合、正規の終了条件以外の条件で、繰り返しループを終了できる

●　continue 文
【構文】　　if ( 条件式 ) {
　　　　　　　　continue;
　　　　　　}

補足　繰り返しループを終了できる条件式が複数あるとき、終了条件を含まない無限ループを利用してプログラムを記述します。なお、ﾘｽﾄ4.5 文字の判定（ continue 文）は、for 文による無限ループの例です。

無限ループの記述方法

●　for 文 ●　whileh 文
for ( カウンタの初期化; ; カウンタの更新方法 ) {
　　実行する処理;
　　if ( 条件式 ) {
　　　　break;
　　}
　　実行する処理;
} while ( 1 ) {
　　実行する処理;
　　if ( 条件式 ) {
　　　　break;
　　}
　　実行する処理;
}

　課題

課題１ 　P!を計算するプログラムを作りなさい。　P! = P * (P-1) * (P-2) * ･･ * (P-n) * ･･ 1です。

入力画面の例

P! 計算プログラム
値Pは： 5
P!は 120です。

注）青色部分が入力した値です。

課題２ 　順次数値を入力し、数値の平均値を求めるプログラムを作る。ただし、計算を終了するときは負数とする。なお、入力数値は実数です。

入力画面の例

平均計算プログラム
値1は：10.0
値2は：20.0
値3は：30.0
値4は：-10.0
入力個数は 3です。
平均値は 20.000000です。

注）青色部分が入力した値です。なお、負数は入力数値として扱っていません。

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